振動障害
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山陰労災病院における診断基準と振動障害認定
2008年度の研究を基に作成された情報です。

診断のポイント

 検査結果の評価では、林業災害防止協会の判定の目安が利用されるケースがほとんどでありますが、機械的に測定結果の数値を当てはめ評価することには問題があると考えています。その理由は末梢循環機能は測定環境に大きく影響されること、末梢神経障害として計測された閾値には客観性の問題があること、運動機能にも同様な問題があることから、振動曝露歴と自覚症状と検査結果を総合的に評価することです。検査にも痛覚、振動覚閾値、温・冷覚閾値測定のような主観的検査と神経伝導速度のような客観的検査があるので、両者の整合性も考慮して判断すべきです。自覚症状と検査結果、主観的検査と客観的検査の間には当然多少のギャップはありますが、臨床的、かつ生理学的に説明可能であるか否かを考慮しながら考える必要があります。検査個目間で大きなギャップ、例えば、知覚異常を訴え、振動覚や温冷覚が測定不能にも関わらず、神経伝導速度が正常であるような場合には注意が必要です。
 林業災害防止協会の判定の目安になる値は昭和40年代半ばの成人男子の値であり、当時の国民体力と現在の国民体力には差が当然あるであろうし、握力等の筋力の評価は個人差、年齢差のあることから、機械的に上記の目安なる値に当てはめて評価することは問題かと思います。

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