アスベスト
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アスベストばく露による病気

中皮腫

 臓器の表面と体壁の内側を覆う漿膜(しょうまく)の表面にある中皮細胞に由来する腫瘍です。通常、腫瘍は良性と悪性に分けられていますが、中皮腫はすべて悪性を意味します。発生部位としては胸膜原発が約90%と最も多く、次いで腹膜原発が約10%となっており、心膜や精巣鞘膜の中皮腫は大変稀な疾患です。

アスベスト(石綿)肺

 アスベスト高濃度ばく露によって発生するじん肺で、病理組織学的には細気管支周囲から始まるびまん性間質性肺炎です。
 アスベスト肺の診断は必ずしも容易ではなく、特発性間質性肺炎、膠原(こうげん)病や薬剤性、感染症などによる間質性肺炎との鑑別が必要です。鑑別点として、職業性石綿ばく露についての問診が重要です。

アスベスト(石綿)肺がん

 従来、アスベスト肺がんの定義はアスベスト肺に合併した肺がんであり、肺の線維化が発がんメカニズム上重要であると考えられていましたが、最近ではアスベスト肺を合併しないアスベスト肺がんの存在も明らかになり、アスベスト自体が肺がん発生に重要であると考えられています。肺がんの発がんにはアスベストばく露量が多くなるほどリスクが高くなるという量一反応関係が指摘されています。また、臨床的にはアスベストばく露によって生じる肺がんの発生部位や病理組織型などに一般の肺がんと相違はないと言われています。

良性石綿胸水(アスベスト胸膜炎)

 アスベストばく露によって生じる非悪性の胸水を良性石綿胸水といい、通常は片側で少量の胸水を認める疾患です。胸水は自然に消失することもあれば、消失せずいつまでも残存する場合もあり、確定診断が難しい疾患です。

びまん性胸膜肥厚

 アスベストによるびまん性胸膜肥厚は、良性石綿胸水による胸水貯留を繰り返した結果として生じることが多い疾患ですが、明らかな胸水貯留を認めず、徐々にびまん性の胸膜肥厚が進展する場合もあります。
 びまん性胸膜肥厚は必ずしもアスベストによるものとは限りません。結核性胸膜炎の後遺症やリウマチ性疾患、心不全による胸水等によっても発生するため、これら疾患との鑑別が必要となります。詳細な職業性アスベストばく露歴を聴取するとともに胸膜プラークの存在を確認することが重要となります。

【出典:「アスベスト関連疾患日常診療ガイド」】

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