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振動障害
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テーマ1.
頸部脊髄症、頸椎性神経根症、絞性神経障害、糖尿病がFSBP%に及ぼす影響

対象

6施設、20歳から79歳までの男性の総数356人の測定結果を収集した。
(患者群:113人(うち14人は対象外) 健常対照群:243人)

結果とまとめ

図1 疾患別のFSBP%(第Ⅱ指)
図1 疾患別のFSBP%(第Ⅱ指)
CNT:対照  CPM:頸椎脊髄症  CPR:頸椎神経根症  CTS:手根管症候群  CuTS:肘部管症候群
DM:糖尿病   VWF(-):振動障害レイノー無  VWF(+) :振動障害レイノー有

図1に疾患別の第2指のFSBP%(箱ひげ図)を示した。分散分析後の多重比較においてDunnettの検定法を用いて対照群と有意の差があったのは、振動障害性のレイノー有群のみであった。

振動障害のレイノー現象有は、第2~5指でFSBP%値が統計学的に有意に低下した。例数が少なく統計学的には有意ではないが、頸部脊髄症では第2、3指で、頸椎性神経根症群では、第3、4指で、手根管症候群では、第2、4指で、FSBP%値が低下する傾向があった。FSBP%値においては、これらの疾患の鑑別は念頭に置く必要があると考えられた。糖尿病、肘部管症候群では対照群との差はほとんど見られなかった。頸部脊髄症で高値を示さなかったことについては、麻痺のレベルが関与している可能性が考えられた。