独立行政法人労働者健康安全機構 研究普及サイト

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メンタルヘルス

テーマ2.
労働者の うつ、疲労、生活機能(QOL)と、
脳血流、唾液中ホルモンに関する研究

脳血流変化と相関するHPA系ホルモンの動態と うつ、疲労、QOL(quality of life)等との相関関係について検証した。

結果

  • うつ重症度(構造化面接 SIGH-D)は、左下前頭回、背外側前頭前野を主体とした血流低下と相関していることが確認された。
  • 不眠(IS)は前頭極、腹側前頭前野、疲労蓄積度は背側前頭前野、縁上回、日常役割機能(sf36)における身体的困難度は前頭極、背外側前頭前野と、精神的困難度は背外側前頭前野の血流低下と相関していた。
  • 朝9時のコルチゾールが低値である者ほど、腹側・背外側前頭前野、側頭葉下面の血流低下があり、朝9時のコルチゾール/DHEA比が低値である者ほど背外側前頭前野などの血流低下と相関していた。

考察

うつ病等の早期発見には、自覚的な「うつ」についての問診だけではなく、日常役割機能(身体・精神)、不眠(IS値)、コルチゾール/DHEA比等に着眼することが有用と考えられる。