独立行政法人労働者健康安全機構 研究普及サイト

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メンタルヘルス

テーマ1.
労働者の うつ、疲労、睡眠と、脳・体のホルモン
(HPA系内分泌)に関する研究

非侵襲的で(検査による体への影響が少ない)採取が容易な唾液中のホルモン精密測定(液体クロマトグラフィー・タンデム型質量分析:LC-MS/MS)により、うつ、疲労、睡眠の状況とHPA系ホルモンとの関連について調べた。

結果

  • 勤務状況と唾液ホルモンとの相関については、女性では,朝9時のコルチゾール、コルチゾール/DHEA比が有意の負の相関を示し、コルチゾール/DHEA-S比は負の相関傾向にあった。男性では有意な相関はなかった。
  • 性別・年齢・勤務状況を調整した標準偏回帰分析では、 うつ重症度( 構造化面接SIGH-Dによる)と睡眠不足(IS: 不眠スコアによる)と21時のDHEA-S値が有意に関係していた。

考察

  • 勤務状況のきびしさは、女性の健康に影響しやすいことが示唆された。
  • 夜間に大量に分泌されている DHEA-Sが、うつ、不眠、疲労と深く関係し、唾液による検査が、うつ、不眠、疲労の客観的な尺度となる可能性が検証された。