物理的因子
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研究の概要
職業性皮膚疾患とは
研究課題〔1〕
研究課題〔2〕
研究課題〔3〕
研究報告書等一覧
研究課題[2]
―職業性皮膚障害に対する職場作業環境管理の進め方に関するガイドライン作成―
―理・美容業界をフィールドとして―

研究の概要

はじめに

 理・美容師は、手湿疹を起こしやすい職業です。その原因となるのは、水、シャンプー・パーマ液・染毛剤などの製品中に含まれる刺激物質やアレルゲン、毛髪や道具との摩擦といった機械的刺激で、刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、あるいは両者が混在したタイプの皮膚炎など複雑な病像を呈します。これらの皮膚炎は、原因を避けない限りは難治に経過し、症状が高度の場合には休職や離職を余儀なくされることもあります。
 特にアレルギー性接触皮膚炎は、難治性であるために仕事の継続が困難になる例が多く、Matsunagaら1)は、美容師のアレルギー性接触皮膚炎12例のうち、7例が離職したことを報告しています。アレルギー性接触皮膚炎は、就業時に発症していなくても、就業後しばらくしてから原因物質に感作されて発症することがあり、離職を余儀なくされる熟練の理・美容師が存在することも事実です。
 また、産業医学的な問題として、理・美容業界は一般に小規模な事業場が多いため、産業医や保健師などによる健康管理が義務付けられておらず、医療側からの積極的な介入や予防策の検討はおこなわれていないという現状があります。
 そこで、理・美容業界でのアレルギ - 性接触皮膚炎の原因物質をある程度特定し、皮膚炎の予防に役立てることを目標に、本研究に着手しました。

<参考文献>
1)Matsunaga K et al:Contact Dermatitis 18:94-96,1988

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研究の概要 - 理・美容業界における皮膚炎を起こさない職場環境管理方法の構築

  • 研究の目的
     理・美容業界における職業性接触皮膚炎の原因を明らかにし、皮膚炎を起こさない職場環境管理方法を構築することです。
  • 研究の対象
    1. 宮城県の理容組合・美容組合に所属する理容師・美容師
    2. 宮城県内のパッチテストを希望する理容師・美容師
  • 研究の方法(図)
    1. 基礎調査としてアンケート調査を実施し、皮膚炎の実態や悪化因子を検討します。
    2. 皮膚炎を起こしたことがある被験者を募集し、使用している製品および製品中に含まれる成分でパッチテストをおこない、アレルギー性接触皮膚炎の原因物質(アレルゲン)を特定します。症例を集積し、陽性頻度の高いアレルゲンを明らかにしていきます。
    3. 上記の結果に基づいて、皮膚炎を起こさない職場環境管理方法を構築し、ガイドライン(案)として理・美容業界に提案します。臨床医には、皮膚炎のある理・美容師が受診した際、診療に役立つように、陽性頻度の高いアレルゲンを情報として提供します。メーカーに対しては、アレルギー性接触皮膚炎を起こしにくい製品の開発を提案していきたいと考えます。
図 研究の方法
図 研究の方法

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