独立行政法人労働者健康安全機構 研究普及サイト

  • 文字サイズ小
  • 文字サイズ中
  • 文字サイズ大
脂肪性膵疾患
ホーム » 脂肪性膵疾患

研究開発テーマ

「脂肪性膵疾患」
① 研究1 臨床的パラメーターを加味したSPDの簡便で明瞭な診断法の創出・提案
② 研究2 SPDの自然史の解明
③ 研究3 動物モデルを用いたSPDの病態の解明

 研究代表者 関東労災病院 消化器内科副部長 金子 麗奈

研究概要

高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、働く世代の健康に大きな影響を及ぼしており、メタボリック症候群に該当する方の増加は深刻な社会課題となっています。こうした背景の中で、脂肪性膵疾患(Steatotic Pancreas Disease)は、膵臓に脂肪が蓄積する新たな病態として注目されています。これはメタボリック症候群と密接に関連しているだけでなく、近年増加傾向にある膵がんとの関係も指摘されており、その理解の重要性が高まっています。しかしながら、これまで臨床的な注目度は高くありませんでした。
私たちの研究では、以下の3つのステップを通じて脂肪性膵疾患の理解と対策を進めています。
【研究1】手術症例のデータを用いて、脂肪性膵疾患を予測・診断するための簡便で明瞭な臨床指標を開発します。
【研究2】研究1で得られた指標をもとに、多症例の後方視的追跡を行い、脂肪性膵疾患の自然経過を明らかにします。さらに、発症要因や増悪因子を特定し、効果的な治療介入の方法を検討します。
【研究3】次世代イメージングシステムを活用する等により、動物モデルを用いた病態の裏付けと成因の解析を行います。

これらの取り組みを通じて、脂肪性膵疾患の予防・早期診断・治療につなげ、勤労世代の健康増進に貢献することを目指しています。

研究計画 ※研究開始前に開催した医学研究評価部会で使用された資料です。

研究計画書 脂肪性膵疾患の新規診断法の探索とその病態の解明
関東労災病院 消化器内科副部長 金子 麗奈