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研究目的・概要

1.石綿肺癌診断における石綿繊維と種類に関する研究

肺内石綿小体数が1,000~4,999本/gの範囲の肺癌症例において、肺内石綿繊維を測定することにより、どのような職種で従事期間がどの程度であればヘルシンキクライテリアの5μ200万以上、1μ500万本以上であるかについて検討する。

2.石綿肺の適正な診断に関する研究

慢性間質性肺炎との鑑別が難しい石綿肺の正確な診断を行う為、HRCTを含む胸部画像のみならず、職業歴や職業年数ざらには肺内石綿小体数あるいは繊維数から鑑別点を見出し、日常診療における慢性間質性肺炎と石綿肺鑑別を容易にする事を目的とする。

3.石綿健康管理手帳データベースにおける肺癌、中皮腫等の発生頻度に関する研究

石綿ばく露者に悪性腫瘍である肺癌、中皮腫が高頻度に発生することが知られているが、日本において今後どのような頻度でこれら悪性腫瘍が発生するかの予測はなされていない。我々は昨年度までの石綿関連疾患の研究で、石綿健康管理手帳を取得して定期検診を受診している過去の石綿ばく露労働者に肺癌発生頻度が高いとことを報告した。今回の研究では昨年度までにデータベース化した4,057例(男性/女性 3,910例/147例)について、肺癌のみならず、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚例がどのような頻度で発生するかについて研究する。

4.中皮腫の的確な診断方法に関する研究 ―鑑別診断方法と症例収集―

胸膜中皮腫と良性石綿胸水等他疾患が疑われる症例において鑑別の為、画像所見や血清あるいは胸水マーカーを用いて、その診断の蓋然性を検討する。また、中皮腫の病理診断における各種免疫抗体の有用性を検討して、確定診断方法を確立する。