独立行政法人労働者健康安全機構 研究普及サイト

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メンタルヘルス

インターネットを用いた勤労者のためのメンタルヘルスチェックシステム『MENTAL-ROSAI』の有用性に関する研究

研究の目的

第1期研究で開発した、コンピュータで自動化したメンタルヘルスチェックと個別フィードバックを、インターネットを介して提供するシステム“Mental-Rosai(M-R)”の役割を、メンタルヘルスとストレス管理に関する利用者の気づきとセルフマネジメントを促進することと再定義し、これを可能とするシステムへと再構築(改訂)して、そのシステム(M-R改訂版)の効果を検証する。

研究の概要

M-R改訂に当たっては、システム利用者のストレス状態、ストレス要因、対処資源の状況や対処に関する気づきを高めることと、ストレスのセルフマネジメントに対するモチベーションを高めることを目標とし、質問票の構成と個別フィードバックの自動化アルゴリズムおよび個別コメントの全面的な見直しおよび修正を行う(平成21年10月~)

その上で、改訂したシステム(M-R改訂版)を用いて、利用者のストレス状態やストレスの原因となっている要因、現在用いている対処法について個別フィードバックし、利用者において以下の効果が見られるかを検証する:

①自分のストレス対処の特徴およびストレス管理に利用可能な他の対処法に気づく
②ストレス軽減のための対処行動実施に対するモチベーションが高まる。

同時に、複数事業所における効果検証の実施に備えると共に、第1期の成果物に対し既に寄せられている事業所単位でのM-R利用の要望に応え、将来的に多事業所へのM-R提供(普及)を可能にするため、第1期において手作業で作成していた事業所結果報告書(集団レポート)をコンピュータで自動出力して利用できるよう、自動作成システムを開発する(平成22年6月~平成22年12月)。

勤労者メンタルヘルスチェックシステム(MENTAL-ROSAI)の概要

“Mental-Rosai(M-R)”は、メンタルヘルス指針に沿って、企業が進めるメンタルヘルス対策を幅広く支援するためのWebシステムである。
「個人向けアプローチ」では、M-Rを用いて、労働者個人を対象にインターネットによるメンタルヘルスチェックを実施し、その結果を個別にフィードバックする。さらに、結果によりメンタルヘルス不調と思われる回答者には、産業医等への相談推奨・医療機関の情報提供等を行う。
「事業所向けアプローチ」では、M-Rを用いた調査結果を事業所単位で集計・分析し、職場全体での従業員のメンタルヘルスの状況、職場環境の問題点等を「事業所結果報告書」にまとめ、事業場内産業保健スタッフに報告する。さらに、必要に応じて教育研修、専門機関等の情報提供を行い、職場のメンタルヘルス対策を支援する。

勤労者メンタルヘルスチェックシステム

【MENTAL-ROSAIを用いたメンタルヘルス対策の流れ】
脳血流SPECTのvbSEE解析によるうつ病群の脳血流変化の客観化