筋・骨格系障害
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研究の概要

腰痛とは

1)非特異的腰痛

 腰痛は癌の脊椎転移や化膿性脊椎炎、腰椎の圧迫骨折、坐骨神経痛を伴う腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、あるいは腎結石や解離性大動脈瘤などの内臓疾患といったさまざまな疾患でもおこります。しかし腰痛の85%−90%は自覚症状としての腰痛のみで、このようにレントゲン写真の所見で病名をつけられる場合が多いのです。このような腰痛は特異的な理学的所見に乏しく、必ずしも画像所見で痛みを説明できるとは限りません。したがって最近はこれらの腰痛を非特異的腰痛と呼ぶようになっています。
 腰痛は一般人口の15−30%が自覚しており、一生のなかでは60%から80%の人が経験するとされています。わが国でも疾患別に見ると、腰痛による通院率は男女とも高血圧についで第2位と高率です。

2)作業関連性腰痛

 腰痛は職業関連性疾患としてもその代表格です。腰痛による就業障害は社会問題でもあり、経済学的損失も少なくありません。重量物の運搬や不良な作業姿勢で仕事に従事する人たちに腰痛の発生頻度が高いことは良く知られており、腰痛発症の原因としてよく理解できます。しかし腰痛発症には身体的負荷といった人間工学的因子のみでなく、さまざまな要因が複雑に関与していると推察され、欧米の研究では仕事の満足度、精神的ストレスをはじめとする心理社会的因子の関与も指摘されていました。


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