筋・骨格系障害
普及TOPへ戻る
研究の概要
研究目的
研究方法
アンケート調査
研究報告書等一覧
アンケート調査

ベースラインデータの調査結果より

 腰痛はごく軽いものから休業を要するものまでさまざまですが、実際には多くの人が腰痛をかかえながら仕事をしています。初回調査時における過去1ヶ月の腰痛状態の分布は

1.grade1 腰痛を伴うことは無かった。49.1%
2.grade2 腰痛はあったが仕事に支障をきたすことはなかった。45.1%
3.grade3 腰痛のため仕事に支障をきたしたこともあったが休職はしなかった。5.1%
4.grade4 腰痛のため休職した。0.8%
すなわち調査した人たちの約半数は腰痛を有していましたが、仕事に支障をきたすほどの腰痛(grade3 とgrade 4)を持った人は全体の5.8%でした。

追跡調査の解析結果より

1) 仕事に支障をきたす腰痛が新しく発症する危険因子は何か?

 初回調査時から過去1年間さかのぼっても腰痛がなかった人たちに、仕事に支障をきたす腰痛が新しく発症する危険因子が何なのかを調べるために、2年間を通じて追跡調査で回答を収集できた836人について統計学的解析を行い、関連する因子を調査しました。
 その結果、過去の腰痛の既往、持ち上げ動作、対人関係でのストレス、仕事の適合性、単調な作業は有意に強い関連性が認められました。
 また、前かがみ動作、ゆれや振動、仕事への低い満足度、不規則な勤務体制についてもほぼ有意に関連性が認められました。

2) 仕事に支障をきたす腰痛が慢性化する危険因子は何か?

 初回調査時から過去1ヶ月に仕事に支障をきたす腰痛があった人のなかで1年後の追跡調査でも延べ3ヶ月以上腰痛があった22人を慢性化とし、慢性化する因子を調査しました。
 その結果、仕事の低いコントロール度、仕事の適合性、仕事への低い満足度、不規則な勤務体制は強い関連性が認められ、単調作業についても、関連性が認められました。

腰痛慢性化の予防

 仕事に支障をきたす腰痛が慢性化するのを予防するためには、一時的に勤務体制を見直す、仕事に関連する心理社会的要因をふまえたカウンセリングを行うなど事業所側の指導の必要性も示唆されました。


COPYRIGHT