病職歴調査

病気と職業や生活習慣の関連を研究するための調査

病職歴調査とは

病職歴調査とは

病職歴調査とは、昭和59年から全国の労災病院で行っている、労災病院グループ特有の大規模調査です。
これまでに蓄積されている情報登録件数は310万件(平成27年5月現在)になります。

病職歴調査の目的

労災病院に入院された患者さんの病歴と職業歴及び喫煙歴等の生活習慣を併せて調査し、それにより得られた情報を診療に役立てるとともに、労災病院グループ(全国34病院等)のネットワークを活用して多くの情報収集を行い、職業と疾病との関連性の研究を実施し、これらの研究成果を勤労者の健康の保持増進及び疾病の予防・治療・職場復帰支援に活用することを目的としています。

病職歴データとは

病職歴データは、病職歴調査による情報をデータベース化したものであり、勤労者医療調査による職歴情報と入院時の病歴情報で構成されています。

病職歴データとは

病職歴データの構成等

病職歴データの具体的な項目は以下のとおりです。

  1. 年齢
  2. 男女別
  3. 在院日数
  4. 病名
  5. 手術名
  6. 入院経路
  7. 退院経路
  8. 転帰事由
  9. 労災の有無
  10. 産業名(現職、前職1~3)
  11. 職業名(現職、前職1~3)
  12. 雇用形態
  13. 交替制勤務の有無
  14. 特殊健診受検の有無
  15. 喫煙歴
  16. 飲酒歴
  17. 生活習慣病既往の有無
  18. 職場復帰希望の有無
※4. はICD-10(疾病、傷害および死因統計分類提要)による病名
5. はICD-9-CM(手術および処置の分類)による手術名
10. は日本標準産業分類、11.は日本標準職業分類による名称

病職歴調査がデータベース化されるまで

病職歴調査がデータベース化されるまで

病職歴データベースを活用した研究実施に関する情報公開

インフォームド・コンセントを受けない場合において、
「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年文部科学省・厚生労働省告示第3号)」に基づいて、下記のとおり情報を公開します。

研究課題名 研究期間
本邦におけるじん肺における膠原病、腎症特にANCA関連腎疾患の合併頻度に関する調査研究 H26.4.1~H29.3.31
女性特有の疾病等が就労に及ぼす影響及びその治療と就労の両立に関する調査研究 H27.4.24~H28.3.31
じん肺患者が入院加療を必要とした原因疾患に関する調査 H27.4.1~H28.3.31
脊椎インストゥルメンテーション患者にアフターケアは本当に必要か?全国労災病院と産業医科大学を含む他施設大規模調査 H27.4.1~H30.3.31
病職歴調査データを活用した入院患者の職場復帰に関する現状調査 H27.4.1~H28.3.31
喫煙とがんの疫学研究(多施設共同研究) H28.6.1〜H33.5.31
若年性胆管がんの疫学的研究及び印刷業と悪性腫瘍若年発症の関連性の検討 H27.4.1~H28.3.31
入院患者病職歴調査による職歴と病歴の関係等に関する疫学研究 H25.4.1~H28.3.31
入院患者病職歴調査による職歴と病歴の関係等に関する疫学研究 H26.4.1~H29.3.31
入院患者病職歴調査による職歴と病歴の関係等に関する疫学研究 H27.4.1~H30.3.31
消化器病領域の病職歴、医療経済を含めた疫学的検討 H27.2.24~H32.2.23

病職歴データベースの活用(研究成果)

以下の論文及び報告書のうち出版元の許可により閲覧可能なものは掲載しています。

豊田 章宏

本部研究ディレクター 中国労災病院 第二リハビリテーション科部長

勤労者世代における脳卒中の実態:全国労災病院患者統計から 日本職業・災害医学会誌58(2)、
89-93,2010
全国労災病院46,000例からみた脳卒中発症の季節性(2002-2008年) 脳卒中 Vol.33(2)
226-236,2011
全国労災病院データ150,899例(1984年-2009年)からみたわが国の脳卒中病型の変遷 脳卒中 Vol.34(6)
399-407,2012
全国労災病院データからみた急死例の検討 日本職業・災害医学会誌
62,57-64,2014
全国労災病院におけるくも膜下出血の実態 第73回
日本脳神経外科学会総会発表
全国労災病院入院患者病職歴調査から見た就労がん患者の実態 日本職業・災害医学会誌
64,128-137,2016

松平 浩

本部研究ディレクター兼関東労災病院勤労者筋・骨格系疾病研究センター長(平成22年度~平成25年度)
(現在:東京大学附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座長、特任准教授)

労災病院データベースを用いた腰椎椎間板ヘルニア手術例の実態調査 Jounal of Spain
Research Vol.2 NO.6
2011,1082-1087

神宮司 誠也

九州労災病院副院長

全労災病院の病職歴調査データによる、勤労者入院患者の現状 日本職業・災害医学会誌
62,388-392,2014
病職歴調査データによる勤労者入院患者の状況-第2報- 日本職業・災害医学会誌
63,364-371,2015
勤労者入院患者割合と病院機能臨床評価指数との関連性について 第62回
日本職業・災害医学会発表
労災病院の入院時病職歴データとリンクした、試験的退院後職場復帰調査 日本職業・災害医学会誌
65,8-13,2017

金子 麗奈

関東労災病院 消化器内科

若年性胆管癌の疫学的特徴について‐職業性胆管癌調査の予備的解析‐ 日本消化器病学会雑誌
Vol. 111 (2014) No. 3 510-511
(独)労働者健康福祉機構入院病職歴データベースの若年性胆管癌症例における有機溶剤使用と臨床的特徴 肝臓 56巻7号
332-340(2015)
Comparison of Clinical Characteristics between Occupational and Sporadic Young-Onset Cholangiocarcinoma Asian Pac Cancer Prev,16(16),7195-7200
「労災病院病職歴データベースにおける胆管癌の疫学的特徴」 第62回
日本職業・災害医学会発表
「職業癌として発生する若年性胆管癌と通常若年性胆管癌の比較」 第40回
日本肝臓学会部東部会発表

久保田 昌詞

大阪労災病院 治療就労両立支援センター 指導部長

労災病院病職歴データベースにおける若年性発症胆管がんの解析 平成24年度
厚生労働科学特別研究事業報告書
労災病院病職歴データベースにおける胆管癌と病職歴との関連の解析 平成25年度
厚生労働科学特別研究事業報告書
労災病院病職歴データベースにおける胆管癌と病職歴との関連
~症例対照研究による検討~
平成26年度
厚生労働科学特別研究事業報告書
職業性胆管癌の疫学研究‐1.職歴との関連‐ 日本職業・災害医学会誌
64:93-100,2016
職業性胆管癌の疫学研究‐2.症例対照による検討‐ 日本職業・災害医学会誌
64:150-155,2016

財津 將嘉

関東労災病院 泌尿器科

職業分類別の膀胱癌の病理組織分布 第61回
日本職業・災害医学会発表
Risk of Alcohol Consumption in Bladder Cancer: Case-Control Study from a Nationwide Inpatient Database in Japan Tohoku J. Exp. Med.,
2016, 239, 9-15

病職歴関連動画

当機構では、病職歴データを用いた研究を基に、論文、学会発表も行っています。
研究者による平成27年11月に行われた学会での発表動画を下記にご案内します。

全国労災病院入院患者病職歴調査から見た
勤労者がん患者の実態

平成27年11月22日 日本職業・災害医学会
豊田章宏(中国労災病院 治療就労両立支援センター)

生産者人口年代における
勤労者入院患者の疾病と手術

平成27年11月22日 日本職業・災害医学会
神宮司誠也(九州労災病院)

調査対象者の同意及び個人情報の保護

病職歴調査は入院された15歳以上の方(調査対象者)又は、そのご家族に対して調査の目的を
ご理解いただいたうえで実施しています。
また、病職歴調査で得られた情報は、各労災病院に設置している専用端末に登録しますが、 個人
情報を削除した状態で労働者健康安全機構本部に蓄積され、電子化されたデータベースとなります。
そのため、このデータベースを解析や研究に使用する場合は個人情報が漏洩することはありません。